僕の見た「大日本帝国」―教わらなかった歴史と出会う旅

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教科書問題とか、靖国問題とか、いろいろ言われているけれど、実際のところ、どうなの?という疑問があったので、そういう本を読んでみようと思ったわけです。

僕の見た「大日本帝国」
西牟田 靖
情報センター出版局 / ¥ 1,680 /

なんだろう、うまく言えないけれど、僕らは、戦前から戦中にかけての「歴史」を知らなさすぎるんじゃないか。ヒロシマ・ナガサキの原爆でたくさんの人が死んだ。とか、全国各地の空襲でたくさんの人が死んでいった。とか、大阪の空襲の時には実家のある高槻近辺からは西の空が夕焼けのように見えた。とか、そういう、日本が受けた攻撃については、いろんなところで見聞きする機会があったけれども、当時日本の統治下にあった地域で日本の政府(あるいは関係機関)がやったことについては、本当に知らないんだなぁ。と思った。

もしかしたら、知らなかったのは、僕だけで、僕の勉強不足なのかも知れないけれど……。

外交というのは、官邸でもテレビの中でもなく、無数の、小さな、 個人の気持ちとその表明の中にこそ存在するのかも知れません。私は後者の可 能性を信じたいと思います。外交において、私たち個人が自分達を無力化しな いこと、当事者としての意識を持ち続けることが、大切なのではないでしょう か。

これは、4月に中国で反日デモがたくさん起きたときのマネックス証券社長(当時)の松本氏の言葉であるが、きっと、外交に限らず、「政治」そのものが、「当事者意識を持ち続けること」が大事なのだろう。